2020年4月1日水曜日

現金を給付することで将来の見通しができれば、飲食店やイベント事業者も「休業する」という選択肢が生まれる。 「今の時点で『粗利補償をする』『現金給付をする』と政府が言えば、一時的に金融機関から融資を受ける決断もできる。感染症拡大防止のためにも、今は安心して休業してもらったほうがいい。そうすれば、新型コロナを早く終息させることができ、一気に景気回復に向けてエンジンをふかすことができる。私達の声明は『廃業しないで』、『あきらめて命を絶たないで』というメッセージなのです」(安藤議員)  経済対策が失敗すれば、国際政治での日本の地位も低下する。前出の藤井教授は言う。 「米国や欧米、そして中国は赤字国債を大量に発行することを決めています。そのなかで日本だけが『財政規律』にこだわって財政支出を小規模なものにすればどうなるか。日本の経済は立ち直ることができず、国家として衰退する。そしてアジアは、中国一強の世界になるでしょう。プライマリーバランス(財政の基礎的収支)の黒字化目標達成は延期し、赤字国債を発行する以外に方法はないのです」  フランス革命で処刑されたマリー・アントワネットは、パリの庶民が飢饉で苦しんでいる時に「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」と発言したという逸話が残っているが、実際には史実として存在しない架空の話だ。しかし今の日本では、仕事を失って経済危機にある人に「和牛を食べてもらおう」という政策が真面目に議論されている。日本は今、歴史の分かれ道に立っている。 (AERA dot.編集部・西岡千史)

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