2020年3月31日火曜日

「コロナの感染源は本人の手だと思われ、手洗いが不十分だと感染しやすい。手に病原体がついても目や鼻をこすらなければ感染しませんが、いずれにせよ手洗いが大切です。日本人は結構神経質で手洗いをするし、マスクだってする。握手や、公衆の面前でのハグ、キスも習慣にないので、そのような理由からヨーロッパのようにはならないと思います」  一方、国際医療福祉大学の和田耕治教授(公衆衛生学)はこんな考えだ。 「実際に海外で起きているわけですから、夢物語ではありません。大規模クラスターが発生すると一気に広がります。毎日、『今日起きなくてよかった』と思って寝るけれども、明日はわからない、というのが現在の状況だと考えています」  こんな見方もある。前出の上理事長は、「今なのかそれ以前からなのかはともかく、少なくともすでに感染爆発していると考えられます」という。「対応は2種類ある」といい、一つは長期にわたって多くの人が感染してゆっくり免疫をつける方法で、もう一つは、小池百合子知事も言及した“封鎖”だ。 「五輪を開催するなら、封鎖しかありません。ただしこの場合、治療薬やワクチンの開発を急がなければなりません」(上理事長)。人が免疫を持たないまま、感染が終息すれば、再度ウイルスが入ってきたときに必要になるからだ。  和田教授もオーバーシュートを防ぐうえで、人の行動を制限することは効果があると考える。すでにヨーロッパや米国での感染拡大が本格化し、世界中で行動制限が敷かれている。小池知事はどのような政治判断を下すのか。   だが、和田教授は、そもそもの問題として、外出に対する国民の意識が気がかりだという。 「熱がなければ大丈夫だと考える人もいるようですが、それは違います。熱が出ていない感染者が他の人にウイルスをうつしている例もあります。のどの痛みやせきも含めて、症状があれば外出をしないようにしなければならない」  都市を封鎖し行動を制限すれば、別の痛手を負うことになる。できる限りのことをやった上での最終判断とされるべきだ。(編集部・小田健司) ※AERA 2020年4月6日号より抜粋

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