2020年1月17日金曜日

SKに所属する長友佑都。日本代表歴代2位となる国際Aマッチ122試合出場を記録するなど、



 
 
 
 
 
 
セリエAの名門・インテルを経て、現在はトルコ・スュペル・リグのガラタサライSKに所属する長友佑都。日本代表歴代2位となる国際Aマッチ122試合出場を記録するなど、プロサッカー選手として第一線で活躍し続けている。
しかし、彼が「日の丸を背負ってピッチを駆け回るアスリート」以外の顔を持っていることを知る人は少ない。長友は、経営者であり、投資家でもある。
2020年になって、ベビーフード「Mi+ミタス」を展開するMiL、世界のプロチームからスカウトを受けられるサッカー専用アプリ「dreamstock(ドリームストック)」を手がけるdreamstock、被写体を中心に動画を再生しながら視点を変えられる新しい動画コンテンツ「SwipeVideo(スワイプビデオ)」を手がけるAMATELUS、ドリームシェアリングサービス「FiNANCiE(フィナンシェ)」を手がけるFiNANCiE、その他にも戦友である本田圭佑が発表したNowDo(ナウドゥー)など、複数の企業に投資家として出資していることを明らかにした。
”アスリート・長友佑都”を飛び越え、活躍の場を広げ続けるスタイルの背景には、「ヒーローになる」という彼の人生哲学がある。高校ではプロから声がかからず、大学ではスタンドで太鼓を叩いていた。そんな挫折多きストーリーを歩んできた彼は、人生をかけて何を実現しようとしているのか。
アスリートの枠を飛び出した”未来のヒーロー・長友佑都”にForbes JAPAN編集部が話を聞いた。
null © Forbes JAPAN 提供 null
”日本代表”の重責を、使命に変える
みなさんがご存知の長友佑都は、「サッカー選手」としての長友佑都だと思います。ただ僕は、自分の経験を一人でも多くの方に体験してもらうためにスタートした事業会社Cuore(クオーレ)と、世界に通用する選手を輩出するというビジョンでスタートしたサッカースクールINSIEME(インシエーメ)という会社の代表を務める「経営者」であり、またスタートアップへの投資を行う「投資家」でもあります。
「アスリートは競技だけに集中していればいい」といった論調があるなかで、どうして競技以外のことにも目を向けるのか。その背景にあるのは、「ヒーローになりたい」という僕のビジョンです。
サッカーを始めた小学生の頃から今日まで、「もっと上手くなりたい」という想いは変わりません。ただ、日本代表として日の丸を背負うようになってから、人生のベクトルが自分ではなく、世界を向くようになりました。国を代表してプレーすることの意味や、自分に求められている期待の大きさを考えたときに、「もっと自分にはできることがあるはずだ」とマインドが大きく変わったんです。
この心境の変化を言葉にするなら、「使命感」の一言に尽きます。世界中の人々に、長友佑都という人間を通じて、もっとポジティブな影響を与えることができる──むしろ与えていかなければいけないのではないかと、思うようになりました。
null © Forbes JAPAN 提供 null
僕は幸せなことに、サッカー選手として素晴らしい経験をさせてもらっています。しかし、サッカー選手でいられる期間は限られている。引退してからの人生の方が、プレーを続けてきた時間よりも長くなるでしょう。
つまり、これからずっと影響を与え続けたり、恵まれた環境に生きた恩を返したりしていくには、サッカー以外の道でも自分を磨き続けていかなければいけません。起業家になったのも、投資家になったのも、全ては「世界中の人々を助けられるヒーローになる」というビジョンから逆算した結果です。
早く行くなら一人で、遠くへ行くならみんなで
もちろんプレーで結果を出せなければ、「ビジネスなんかやっているからだ」「サッカーに集中しろ」と複数の草鞋を履くスタイルを批判されることもあります。
ただ、畑違いの領域を股にかけることで、双方に良い影響を及ぼし合うことができていると感じる機会は少なくありません。経営者になったことで、プレーヤーではなく指揮官の視点でプレーすることができるようになりましたし、アスリートとしての影響力は、投資家としての強みもなっています。アスリートだけに集中していたら、今の自分はなかったはずです。
null © Forbes JAPAN 提供 null
そもそも、サッカーもビジネスも、僕にとっては一つのビジョンを達成するための手段にすぎません。つまり、それぞれに固有のゴールがあるわけではない。僕の人生のゴールは「世界中の人々を助けられるヒーローになる」から揺らぐことはありません。
なかでも今回、投資をアプローチの一手として選択した理由は、ヒーローとして、世界中の人たちを助ける方法を増やせると考えたから。僕一人ができることは限られていますが、「日本を元気にしたい」「世界をより良くしたい」と願うアントレプレナーたちを応援することで、世界中にポジティブな影響を与えることができます。
また、僕自身が新たな挑戦をすることで、できる選択肢が多くなる。たとえば起業家達が掲げている目標を達成してくれることで、僕がリターンを得れば、更に社会に提供できる価値の総量が増えていきますよね。
投資家としても、「世界中の人々を助けられるヒーローになる」ことを目指していますから、大前提として”志が大きな起業家”にしか投資をするつもりはありません。
事業の成長性や市場の大きさなど、投資に値するビジネスかはシビアに判断しますが、最後は人間性を見ます。内から情熱が湧き出る本気の起業家と手を組みたいんです。
null © Forbes JAPAN 提供 null
また投資家という職業は、僕がビジネスをする上で一番の強みとなる「影響力」を活かせる仕事。投資家にもさまざまなスタイルがあり、ファイナンスの支援だけをする投資家がいれば、経営をハンズオンで支援する投資家がいます。僕は経営者として得た知見や、サッカーを通じて得た組織マネジメントの方法論に加え、影響力という武器を付与することで、スタートアップの躍進を後押ししていくつもりです。
また投資家として、起業家のみなさんに、「日本はまだまだやれるぞ」と伝えたい。ビジネスやスポーツに限らず、日本人は何かと、海外にある種の劣等感を持っているように思います。でも、間違いなく互角に戦える。何より、僕が証拠です。
僕はジュニアユースのセレクションに落選していますし、大学進学をする際にはスポーツ推薦をもらえず、大学ではスタンドで太鼓を叩いている時期もありました。しかし、世界を代表するアスリートたちと戦うことができています。
だから、恐れず世界に飛び出してください。やる前から勝負を諦めることほど、もったいないことはない。成功が保証されている挑戦はないけれど、成長が約束されていないも挑戦もまた、存在しないのです。
長友佑都は、背中で語る
僕はサッカー選手である以前に、長友佑都という、ヒーローに憧れる一人の人間です。だから、肩書きで自分を語ることも、役割を限定するつもりもありません。ただひたすら、ありたい将来のために、今できることに向き合い続けます。
それが起業なのか、投資なのか、アスリートなのかは分かりません。今とは違うアプローチだってあり得るでしょう。もちろん困難は少なくないと思います。でも、だからこそ面白いじゃないですか。
人生のゴールに少しでも近づけるのであれば、畑違いのことに挑戦することも、失敗することも厭わない。2020年も、まだ見ぬ”ヒーロー第一号”になるため、失敗を恐れず新たな挑戦をします。その背中を、みなさんに見せていきます。
null © Forbes JAPAN 提供 null
投資としては、僕の人生のストーリーがシンクロするスポーツやヘルスケアといった分野を中心に考えています。規模やタイミングなどは検討が必要ですが、もし僕の考えに賛同してくれる起業家の方がいるなら、ぜひタッグを組み、社会に価値を届ける同志になりましょう。投資家・長友佑都として、日本のスタートアップエコシステムを盛り上げていきます。


0 件のコメント:

コメントを投稿