2020年4月21日火曜日

(2)寒湿阻肺症 臨床症状:微熱,身熱不揚(熱感があるが体表部には現れない)または発熱しない。喀痰の少ない乾性咳嗽,倦怠,胸苦しい,胃膨満感,または悪心嘔吐,下痢。舌質は淡またはピンク,舌苔は白または白膩,脈は濡。 推奨処方:蒼朮15g,陳皮10g,厚朴10g,藿香10g,草果6g,生麻黄6g,羌活10g,生姜10g,檳榔10g。 服用法:1日1剤,400mLの水で煎じ,朝夕2回に分けて服用する。 2.4 重症 (1)疫毒閉肺証 臨床症状:発熱して顔が赤い,咳嗽,喀痰は少なく黄色く粘る,または喀痰に血が混じる,呼吸が苦しく喘ぐ,疲労倦怠,口は乾き,苦く粘る,悪心,食べられない,排便困難傾向,尿量は少なく,色は深い黄色か赤みを帯びている。舌は赤,苔は黄膩,脈は滑数。 推奨処方:化湿敗毒方 基礎方剤:生麻黄6g,杏仁9g,生石膏15g,甘草3g,藿香10g(後下),厚朴10g,蒼朮15g,草果10g,法半夏9g,茯苓15g,生大黄5g(後下),生黄耆10g,葶藶子10g,赤芍10g。 服用法:1日に1~2剤を水で煎じ,100〜200mL/回を1日2~4回服用または経鼻投与する。 (2)気営両燔証 臨床症状:高熱で激しい口渇,呼吸が苦しく喘ぐ,意識が混濁し,譫言が出る,物が見えにくい。時に発疹,吐血喀血,鼻出血,痙攣などがみられることがある,舌は深紅,舌苔は少ないか無苔,脈は沈細数,あるいは浮大かつ数。 推奨処方:生石膏30~60g(先煎),知母30g,生地30~60g,水牛角30g(先煎),赤芍30g,玄参30g,連翹15g,丹皮15g,黄連6g,竹葉12g,葶藶子15g,生甘草6g。 服用法:1日1剤,水で煎じる。先に石膏と水牛角を煎じ,後に残りの生薬を入れる。100~200mL/回,日に2~4回服用または経鼻投与する。 推奨される中薬製剤:喜炎平(Xiyanping)注射液,血必浄(Xuebijing)注射液,熱毒寧(Reduning)注射液,痰熱清(Tanreqing)注射液,醒脳静(Xingnaojing)注射液。効能が近い中薬製剤であれば患者の状況にあわせて1種類を選択,臨床症状によっては2種類を併用してもよい。中薬注射液と生薬の湯液は合わせて使用できる。

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