2020年4月15日水曜日

米大統領、感染症権威にいら立つ=経済優先?解任の臆測も 2020/04/15 13:50 © 時事通信 提供 記者会見に臨むファウチ米国立アレルギー感染症研究所長(右)とトランプ大統領=3月17日、ワシントン(AFP時事)  【ワシントン時事】トランプ米大統領が、新型コロナウイルスへの政権の対応策を指南する国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長(79)に対し、いら立ちを隠せないでいる。感染症の権威であるファウチ氏が科学の知見に基づき直言する姿勢が、11月の大統領選を念頭に一刻も早い経済活動の再開を目指すトランプ氏にとって障害になっているためだ。  「ファウチを解任する時だ」。トランプ氏が12日夕、こう訴える共和党関係者の投稿をツイッターで転載したことが波紋を呼んだ。ファウチ氏はこの日、テレビ番組で「より早く対策を進めていれば、もっと命を救えただろう」などと発言。トランプ氏は解任権をちらつかせ、政権の非を認めるようなファウチ氏をけん制したとみられる。 レーガン政権から政府の感染症対策を助言してきたファウチ氏と、トランプ氏の関係は特異だ。気候変動などのテーマでは専門家を遠ざけるトランプ氏も、ほぼ毎日の記者会見にファウチ氏を同席させている。ファウチ氏は最近の世論調査で「支持率」が8割に上るなど国民の信頼が厚く、会見に欠かせない存在になっている。  新型ウイルスの感染拡大が深刻なニューヨーク州で死者数がピークを迎える見通しが立ち、徐々に経済活動再開の局面に入っていくことも両者の関係に緊張をもたらしているようだ。5月の「経済再開」を視野に入れていると言われるトランプ氏に対し、ファウチ氏は「機が熟さないうちに慌てて事を起こしてはならない」と慎重だ。  ファウチ氏は今月13日の記者会見で、前日の発言について「仮定の質問に答えた」と釈明。トランプ氏も「彼が好きだ。彼は素晴らしい」と、何事もなかったように解任観測を打ち消した。

0 件のコメント:

コメントを投稿