2020年4月21日火曜日

(2)サイトカインストーム期: 発病7〜9日で肺炎は重篤な増悪期に入り,臨床表現として息切れ,喘悶,倦怠乏力が顕著で,あるいはチアノーゼを伴い,重症者は気竭喘脱(肺気が尽き頻呼吸)が現れる。治療は祛邪と同時に必ず扶正を行い,清営湯,合生脈,復脈湯の加減を選択し,補助に強心通脈,涼血活血,化瘀化痰薬を用い,肺炎の増悪を阻止し,炎症痰液を吸収し,呼吸窮迫,呼吸不全,挿管率を低下させる。エキス生薬では薬力が十分ではないため,生薬煎じ薬が要である。 生石膏 五銭,黄芩 三銭,魚腥草 一両,綿茵陳 五銭,製附子 一銭半,乾姜 一銭半,甘草 二銭,麦冬 三銭,瓜呂実 五銭,姜半夏 三銭,茯苓 五銭,厚朴 三銭(一銭は3.75g) 煎じ方:薬剤を鍋に入れ1200mLの水を加え,強火にかけ沸騰したら弱火にし薬液が300mLになるまで煎じる。3〜4時間ごとに1回,毎回100mLの薬液を服用,あるいはNGチューブで投与。一日1~2剤。 対象:発病後7~14日で肺炎の重症増悪期の患者。 目的:重症肺炎の増悪を阻止,滲出液を吸収し,呼吸窮迫と挿管率を低下させる。 末期患者は重症になると,喘促,煩躁,倦怠乏力がひどく,西医は酸素供給のほか必要時には挿管治療をする。中医は清営解毒,益気涼血薬を用い補助することができる。また病状が重篤の際は,喘促,昏睡,自汗,四肢厥逆,脈微欲絶が現れる。益気固脱,あるいは辛涼開竅法を併用し治療する。製附子を増量し危機を脱することができれば,患者には回復の希望がある。

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