2020年4月26日日曜日

 自粛生活を続け、医療崩壊が起きないよう配慮しながら緩やかに軽度の感染者を増やして集団免疫の獲得を目指し、最終的には検査によってそれを判断して自粛を解除する──それがノイマーさんの主張だ。  ノーベル賞受賞者で、京都大学教授の山中伸弥さんも同様の見解だ。山中さんがホームページで発信した「5つの提言」では、PCR検査体制の強化を求めている。また、新型コロナとの闘いについても、《国民に対して長期戦への対応協力を要請するべきです。休業等に対する協力で迅速な対応が必須です》と呼びかけている。 ◆次はアフリカ、南米で感染が拡大する  国境を越えてヒト、モノ、カネが行き交う時代に出現した新型コロナは、世界の隅々に行き渡り、全人類に深い影響を及ぼす。浜松医科大学健康社会医学講座教授(公衆衛生学)の尾島俊之さんが指摘する。 「いまはグローバルな時代なので、この先にアフリカやアジア、南米といった地域でも感染が拡大する可能性がきわめて高い」  感染源である中国では、3月中旬に感染者がピークを越えたが、ここに来て「逆輸入」が目立つようになった。  欧米の大学で学ぶ中国人留学生が、新型コロナの影響で当地の学校が閉鎖されたため中国に帰国した際に、感染が確認されたケースを主に指す。4月中旬のある日は、中国国内の新規感染者108例のうち、逆輸入が98例に達した。 「中国には、感染の第2波を恐れて公共交通機関や飲食店、映画館などが再び封鎖された地域もあります。感染源として世界に恥をさらした形の中国だけに、警戒ムードは緩んでいません」(中国事情に詳しいジャーナリスト)  さらに心配されるのが、南米、アフリカなどの新興国や発展途上国だ。 「貧しい国の生活環境は、密集、密接、密閉の3密がそろっていて感染が拡大しやすい。ブラジルでは約50平方メートルの2階建てに10~20人が住んでいる家族も多い。せっけんや水道のない家もあります。  今後、アフリカで数百万人が新型コロナに感染する可能性があるという専門家もいます」(全国紙外信部記者)  この先に求められるのは、未知のウイルスと共存する覚悟なのかもしれない。 ※女性セブン2020年5月7・14日号

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