2020年4月14日火曜日

あいちトリエンナーレ、課題置き去り「灰色決着」 補助金不交付決定見直し 2020/04/13 01:10  昭和天皇の肖像を燃やすような作品や元慰安婦を象徴する作品が出品され、物議を醸した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」をめぐり、文化庁が、愛知県への補助金を不交付とした決定を見直し、一部減額して愛知県に支給すると発表した。県が手続き上の不備を認めたことが理由だが、芸術祭が提起した表現の自由や、公共施設での展示のあり方といった問題について議論は進んでいない。今回の“灰色決着”で、同様の騒動が再び起きる恐れも指摘されている。  実利重視  「愛知県が遺憾の意を示した上で今後の改善を表明したこと、展示会場の安全や事業の円滑な運営にかかる懸念に関連する経費などの減額を内容とする変更申請がなされたことなどを踏まえて判断した」 新型コロナウイルス特集など、最新情報をモバイルで 無料ダウンロード PR Microsoft ニュース  文化庁は3月23日、いったん不交付とした決定を見直し、約7800万円から約6700万円に減額して支給することを決めた理由について、こう説明した。 撤回求める声も  文化庁と愛知県がともに譲歩した形での決着。関係者の受け止めはどうか。  補助金不交付決定への抗議声明を東大教員有志に呼び掛けた加治屋健司東大大学院教授(現代美術史)は「年度末で決定が覆るのは難しいと思っていただけに予想外だった。減額ではあるが、まずは良かった。(不交付撤回は)重要な前例となる。文化庁はどのような論理で撤回したのか詳細を明らかにした上で、今後も問題のある決定があれば柔軟に対応してほしい」としている。  これに対し、自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」は、文化庁に対して補助金支給決定の撤回を求める方針を打ち出し、「日本文化の価値を高めるという文化庁の事業目的に合致していない」と問題点を挙げる。  「議論に封」  補助金問題がひとまず決着する一方で、芸術祭で浮かび上がったさまざまな問題は置き去りのままだ。  芸術祭では、昭和天皇の肖像を燃やすような映像作品や元慰安婦を象徴する「平和の少女像」が登場した企画展「表現の不自由展・その後」に抗議が殺到。安全面を考慮して企画展が開幕3日で中止となった。

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