2020年4月14日火曜日

これに対し、「表現の自由の侵害だ」との反対意見が沸き起こった。逆に、公共施設での展示のあり方という観点から、企画展を問題視する意見もあった。  今回の文化庁の不交付決定見直しについて、麗澤大の八木秀次教授(憲法学)は「役人が裁判を嫌うというのは分かるが、今回の問題が提起した公的施設での展示のあり方や政治と芸術の関係、表現の自由はどこまで許されるか-といったテーマについて議論しないまま封をした結果となった」と指摘。「同じような展示がお金を出す側に黙って行われ、問題が起きたとしても、その後に『ごめんなさい』といえば、9割は交付されるという前例をつくったことになる。文化庁は問題を整理してガイドラインでも作成すべきだった」と同様の問題が再び起きる恐れを懸念している。 (文化部 森本昌彦)      ◇  あいちトリエンナーレ 平成22年から3年に1度、名古屋市を中心に開かれている国内最大規模の芸術祭。4回目となる昨年は8月1日から10月14日まで開かれ、約67万人が来場。今回は芸術部門の責任者である芸術監督として、ジャーナリストの津田大介氏を起用した。実行委員会の会長は愛知県の大村秀章知事、会長代行は名古屋市の河村たかし市長で、総事業費約12億円の多くを愛知県と名古屋市が負担。文化庁にも補助金を申請したが、当初不交付となったため政治と芸術との関係が議論となった

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