2020年4月14日火曜日

COVID-19に対する中医薬として今回作られたのは「清肺排毒湯」である。軽症から重症まで幅広く用いるように書かれている。処方内容は,麻黄9g,炙甘草6g,杏仁9g,生石膏15~30g,桂枝9g,沢瀉9g,猪苓9g,白朮9g,茯苓15g,柴胡16g,黄芩6g,姜半夏9g,生姜9g,紫苑9g,冬花9g,射干9g,細辛6g,山薬12g,枳実6g,陳皮6g,藿香9gであり,石膏を15gにしても196gある。日本漢方では中国に比し,使う生薬量が少ないことは貝原益軒の『養生訓』にも記載がある。構成生薬4種類の麻黄湯は15.5g,構成生薬10種類の十全大補湯は33gであることを考えると,清肺排毒湯をわが国に導入する場合には1/2ないし1/3量でもよいのかもしれない。 清肺排毒湯は傷寒論処方である,麻杏甘石湯,五苓散,小柴胡湯,射干麻黄湯,茯苓飲に藿香が配合されたような内容で,時期を問わずに幅広く用いる処方として開発された。 その上で,感染が確定していない時期には胃腸の不調がある場合と発熱を伴う倦怠感を覚える場合の2つに分けて経過を観察し,診断が確定した後は,清肺排毒湯を用いる。さらに軽症,中等症,重症,重篤,回復期に分けて証を鑑みて処方内容が決められるが,重症以上になると,中医注射剤が使われる。これに関してはわが国では使うことができない。

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