2020年4月8日水曜日

その間、感染者数の急増に焦る小池百合子都知事を筆頭に、大都市の知事らが早期の緊急事態宣言への期待を相次いで表明。日本医師会なども「医療的緊急事態宣言」(東京都医師会)と警告し、安倍首相の決断を迫っていた。最新の世論調査でも早期の緊急事態宣言を求める声が圧倒的で、「首相に対する包囲網」(政府筋)が拡大していた。  これまで「政治主導」を前面に打ち出し、重要政策決定などで「首相の政治決断」を連発してきたのが安倍政権だ。にもかかわらず、今回ばかりは「包囲網の中で、あえて慎重姿勢を隠さなかった」(自民幹部)のは事実。これについて首相周辺は「宣言は最後の手段だが、法的強制力に欠けるため、実効性をあげる環境整備が必要だった」(側近)と漏らす。  たしかに、緊急事態宣言が出ても、欧米各国のように罰則を伴う外出禁止措置などは不可能だ。宣言に伴うほとんどの対策は要請レベルにとどまり、すでに各知事らが呼び掛けている外出自粛要請と本質的に変わらないことになる。  緊急事態宣言によって国民の自粛ムードを一段と加速させれば、「経済への悪影響は計り知れない」(有力閣僚)。経営難に追い込まれた中小企業や自営業者への補償問題も政府に重くのしかかる。

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